『授業力&学級経営力』2018.01 No.94
授業名人だけが知っている超一流の指導技術
こんな素敵な見出し、読まずにいられない!
明治図書さん、ありがとうございます。
全ての若手教員に配布してほしいぐらいだ…。
さて、授業編は、授業技術が5つの視点でまとめられています。
8人の授業名人たちがその視点に対して実践を載せてくれています。ありがたや。
5つの視点は以下の通り。
- 授業のつかみの技術
- 発問、指示の技術
- 板書、ノート指導の技術
- 話し合いづくりの技術
- 予想外の反応への切り返しの技術
順を追って書いていきたいと思います。
1.授業のつかみの技術
多くの先生方に共通していたのは、全員ができるものを提示していくということ。
たとえば、「これは偶数ですか?奇数ですか?」「(社会の資料の写真の一部を隠して)ここはどうなっているでしょう?」フラッシュカードや暗唱なども。誰もが参加できる仕掛けをしておくことで、授業モードに切り替えていく。
2、発問、指示の技術
岩下修先生が発問と指示を次のように定義していた。
発問…思考内容の提示
指示…思考方法の提示
「スイミーについて、どんなことがわかりますか?」(発問)
「分かることを4つ見つけてください。その4か所に線を引いてください」(指示)
僕は今まで指示のことを「ただ作業させること」と認知していたから、この定義でスッキリした。思考するための具体的な行動を求めていくのが指示なんだな。
佐藤正寿先生は、具体的な数字を指示に組み入れることが大切だと述べている。
「どのようにノートに書いたらいいか」や「時間と書く量の目安」などだ。
時間の指定は意識してやっていたけど、ノートへの書き方や書く量について、しっかりと伝えたことはなかった。指示を見直すことが3学期の僕の課題。
3、板書、ノート指導の技術
土作彰先生が「ノートの評価基準を示す」と言っていた。そうだよなあ。
僕自身も、授業後にノートを集めてABC評価をつけている。でも、基準があいまいだったかも。何よりも、僕の気分でAかBかに分かれてしまうことがあった。
教師の認知と子どもの認知をそろえる必要があるよな。
Cは問題外。乱雑、字が薄い、未完成なのに提出しているなど。
Bは及第点。濃く丁寧にかけている。
Aは空白部分に、書いた熟語の意味調べをしているなど。
これは、土作先生の評価基準。
CとBは僕もこのようにしていた。同じである。じゃあ、Aは、、、
福山先生が大事にしている図解表現力かな。吹き出し、イラスト、図、矢印。
「自分が読み返した時に内容が入ってくるノート」をつくってもらいたい。
子供に提示していこう。
また、岩下先生は、「ベストノート賞」をつくって価値を共有していた。
正直、教師の仕事の手間だ。でも、子ども一人一人の力を伸ばすという視点で考えたら、やらないのはもったいない。問題は継続してできるかどうか。継続が厳しいようなら、ノートを開いてギャラリーウォークの時間をとるのもいいかも。
4、話し合いづくりの技術
手抜きが行われては元も子もない。だからこそ、話し合いで大切にしなければならないことを指導しなければならない。土作先生は、視線、表情、反応としている。
しっかり相手の目を見て聞き、相手が話しやすくなる表情をし、「そうか」「なるほど」などの肯定的な反応をする。きっと、土作先生はこのような指導を面白く、楽しく乗せてしまうんだろうなあ。
岩下先生は机間巡視をしながら「ここ、話し合っています」「ここも、話し合っています」「ここは、話し合っていません」と淡々と言っていくようだ。評価がピリッと入るところがいい。
話し合いにもいろいろある。課題解決の話し合いなのか、意見の拡散のための話し合いなのか。目的に応じて大切にすべきことは変わるはず。もっと勉強しなければ。
5、予想外反応への切り返しの技術
子どもをどのようにフォローするかということ。教師が発言を求めているのに発言した子供が悲しまないようにしなければ。やはり、発言した勇気を認めることが自然だと思えた。また、「どうしてそう考えたの?」と問い返し「なるほど」と頷くこともあげられていた。子どもを受け入れて温かく授業を展開したい。
普段、先輩教師の授業を見る機会が少ないため、このような書籍は非常にありがたい。
知識を得たら、あとは実践。トライアンドエラーで授業を磨いていこう。