杉江修治『協同学習入門』①
世の教育界の間違った認識を言います。
協同学習は手法じゃない。
一斉指導であっても、協同学習はできるのです。
堀先生の著書を読んで、本書と重なる点が多くありました。
みなさんは協同と競争の違い、詳しく説明できますか?
協同…グループメンバー全員同時に到達できるような目標が設定されている事態
競争…メンバー内のひとりでも目標に到達したら他の成員は目標に達成することができない事態
学校での学びに即して言えば、、、
学習集団のメンバー一人ひとりの成長が互いの喜びであるという目標のもとで学習する場合が協同であり、学習集団の中で誰が一番かを目標にして競い合う場合が競争
協同学習は、手法ではなく、考え方です。
本書では協同学習を多くの先行研究をもとに、いくつかの言葉で説明されています。
- 「集団の仲間全員が高まることをメンバー全員の目標とする」ことを基礎に置いた実践すべてが協同学習なのです。
- メンバー一人ひとりの成長への願いを学級の全員が理解しあい、「学級のメンバー全員のさらなる成長を追求することが大事なことだと、全員が心から思って学習すること」が協同学習なのです。
- 「クラスの仲間全員が自分の味方」という環境で学ぶことが協同学習だと理解してもいいでしょう。
そして、協同学習は「強い個人」をつくることが目的とされています。
「馴れ合い集団ではなく、課題解決集団」という話も出てきます。
つまり、
「One for All All for One」
ひとりはみんなのために、みんなはひとりのために
の状況の中での学習のことを指します。
百マス計算を行うときでも「One for All All for One」の概念があれば、自分が解き終わったらはい終わり。「待ち時間つまんね~」という状況ではなく、「Aさんがんばれ!」「やったね!10秒も早くなったね!」と友達の成長を応援し、ともに喜ぶようになるでしょう。
さあ、本書は理論、実践共に載っている良書です。実践の工夫は51乗っています。
この中で、堀先生がおっしゃっていた一斉指導との共通点を、次回の記事で述べていきたいと思います。