杉江修治『協同学習入門』②
前回の記事の続きです。
協同学習と一斉指導の共通点。
両者ともに大切なこと。
それは、、、
教師の説明。
協同学習というと、どうしても子どもの学習活動の方に目が行きがち。
でも、堀先生の著書にもあったように、協同学習を生かすには子どもを納得させたり捌く手法を身に着けなければなりません。協同学習の工夫にこのような内容が載っていました。
工夫8:導入にかける時間を惜しまない。
これ、堀先生の言っているインストラクションじゃないか!
そりゃそうだ。子どもが理解していないのに活動なんかできるわけないもの。
そして、子どもに協同の価値を根付けるまでは、特に意識して教師が語らなければならないな。教師はもっと想いを語らなければ。その機会を意識的に組み込まなければ。
協同学習はグループを用いずに進めることもあるけれど、多くの場合は効果的にグループを入れる。こんな感じで事例が紹介されていました。
工夫19:1時間の流れは6ステップが基本である。
①教師による課題の明示
・本時の課題の値打ちの説明
・本時の授業の進め方の説明
②課題に個別に取り組む
・基本的に相談をしてはいけない
・必要な子どもに限って教師の個別指導
③グループの話し合い
・教師による明確なグループ課題の提示
・グループ内の話し合いによる課題解決
④全体交流
・グループの意見を学級全体に出し合う
・グループの意見をもとに学級全体で話し合い、個人の思考を練る
⑤教師のまとめ
⑥振り返り
教師による課題の明示は、堀先生の言っているインストラクションじゃないか!(2回目)と瞬時に思いました。ほかにも堀先生は、個人→集団→個人と、最後は学びを個に返すことに重きをおいていた。堀先生の授業も、一斉授業の原理原則の根底に協同学習の理念があると思う。名人の授業って、一斉指導と協同学習を明確に区切れないんじゃないかなあ。
インストラクションについて述べられた後は、いよいよグループに関する工夫。
工夫28:グループの話し合いの折には、そのゴールが明確に示されたグループ課題を与えることが必要である。
これも、堀先生の著書に書かれていたこと(インストラクションではない)だ…。学びが繋がってきたぞ。
×「~についてグループで考えなさい」
○「この問題をグループで考えて、グループの中の誰が指名されてもみんなの前で説明できるようにしましょう」
○の例はみんなが説明できるようにするというゴールが提示されています。グループ活動が機能しないのを発達段階のせいにする研究授業を今まで見たことがあるけど、やっぱ違うよなあ。教師のはたらきかけだよなあ。子供には力がある。
ほかにも、グループ活動ができるようにしておくことも大事。
工夫36:グループリーダーはグループ内持ち回りで受け持たせる。ただ、だれでも司会が可能なように、教師の指示を明確にする。
型の共通認識を図る。子供に任せない。ここは、必ず1学期に抑えるべきことかな。
全員が司会ができるように。もし、司会がうまくいかなくても、同じグループの中で協同して司会を助け合えるようにしておく。
また、面白いと思ったのが、班の中で役割を交代していくこと。
発表係、連絡係、記録係、時間係、ムードメーカーという役割が紹介されていた。これ、取り入れていこう。
長くなってしまったのでここまで。理論と実践の両方が載っている本は説得力がありますね。ああ、もう少しくだけた文を書きたい。
インストラクションに関しては前回の記事をご覧ください。