忘れ物をした子どもへ
この記事に目を通して下さっている皆様は、どのように指導されていますか。
指導方法は実態によりますよね。
叱ってみたり、寄り添ってみたり、保護者に協力を仰いだり…。
いずれにせよ、指導に即効性は求めてはいけない気がします。
即効性を求めると、こちらの心の負担が大きくなるためです。
「ああ、またか」「また忘れたのか」
この感情が積み重なり、教師も子どももしんどくなると思います。
指導はボディブローのようなもの。
徐々に徐々に効いて、伝わってくれればよいと思います。
大切なのは、子どもが「ああ、指導されているなあ」と実感すること。
もちろん教師の怒りのはけ口ではありません。
では、どのように指導すればよいのだろう。
今、私が指導している方法は、子ども自身に振り返らせるというものです。
「体験学習のサイクル」というものがあります。
⓪体験
①なにがあった?
②どうしてそうなった?
③じゃあ、これからどうする? →この内容が、次の活動の目標へ。
⓪~③が、螺旋状のスパイラルになっています。
この図、目標設定の場所が若干違うような…。
まあそれについては置いておいて。
これを、口頭で行っています。
「先生、忘れ物をしてしまいました」
「そうかあ。どうして忘れ物をしたんだと思う?」
「連絡帳を見たんだけど、ランドセルに入れるのを忘れてて」
「うんうん。じゃあ、どうすればよかったかなあ?」
「連絡帳を見たらすぐ準備する」
「なるほど。これからどうするかもう一度しっかり教えて」
「連絡帳を見たらすぐに準備します」
「その作戦でいこうか。今言ったことを忘れないように、連絡帳に赤で書いてね。
そして先生に書いたことを見せに来て」
(連絡帳に書いて見せに来る子ども)
「同じ失敗をしないように気をつけてね。応援してるよ。」
このように指導しています。
子どもが同じ失敗をしても、淡々と同じことの繰り返し。
「どうしてそうなったと思う?」
「じゃあ、これからどうする?」
子どもの内省を促すことに努めます。
そして、忘れ物は子どもの課題だと割り切って、イライラしないように努めます。
もっともよくないのは、忘れ物の報告に来ないとき。
これでは何も進展しません。ここでは叱ります。
私がすべき大切なことは、
1、「子どもが忘れ物をしたら報告に来るルールづくり」
2、「子どもが自分の力で次の作戦を考えられるようにお手伝い」
3、「忘れ物をした子への救済措置を整える」
の3点かなと思います。
私の現状は、ルール作りが甘いです…。ここが甘いせいで、私の指導にもムラが出てしまっています。このままではいけない。なんとかしなければ。
救済措置としては、ノートや連絡帳などはコピーしたものを教室に保管してあります。
また、えんぴつ、けしごむ、定規、ネームペン、赤鉛筆などは忘れ物した子ように貸出コーナーを設けています。
学校に忘れ物をすることで、死ぬわけじゃない。だからそんなに追い込まない。
淡々と、忘れ物をしないように行動する思考回路をつくるために、内省させ続ける。
でも、改善しようとする点が見られなければ叱る。