協力と慣れ合いの違い【SMARTガイドライン】
子ども達がグループで活動する機会は多いと思います。
しかし、グループでの活動は「協力」か「慣れ合い」かに分かれると思っています。
その差はズバリ、
目的の有無です。
このグループ活動で「何を達成すればよいのか」を
「子ども達が」理解していなければ、その活動はただの「慣れ合い」になってしまいます。
目的が設定してあるだけではダメです。
子どもが理解しているということがポイントです。
目的を明確にするということは、
教師の期待を明確にすることと同義であると思います。
期待は明確にして伝えなければ。
また、目的達成のために、グループに目標(課題)を出すことでしょう。
目標(課題)とは「何を達成すればよいのか」ということですが、
ここをしっかりと提示することで活動が引き締まるかと思います。
ぼんやりとした課題設定だと、活動もぼんやりとしてしまいます。
じゃあどんな課題を設定すればいいの?ということですが、
目標(課題)設定に対する考え方で、
「SMARTガイドライン」というものがあります。
Specific … 具体的に
Measurable … 測定可能な
Achievable … 達成可能な
Relevant … 関連している
Trackable … 追跡可能な
①その目標(課題)は具体的であるか
→目標を絞る:1回につき1つの目標
②その目標(課題)は何らかの形で計ることができるか
→時系列的に/数量的に
③その目標(課題)は達成可能か
→ 可能だが,頑張らないとできない
④その目標(課題)は適切か、今の生活や状況に関連しているか
→直接的に意義があり,接点がある
⑤その目標(課題)はプロセスが追跡できるか
→遂行の過程を確認・認識できる
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「目標は,君たちのグループメンバー全員が,1870÷60の筆算のやり方を,10分間で,全員説明できるようにすることです。困ったら前回学習した3桁÷2桁の筆算のやり方を参考にしてね。グループ全員ができたら先生のところへきてください。それでは始め。」
例えばこんな感じでしょうか。
「子どもに〇〇させる」ではなく「子どもが〇〇する」という意識で課題をつくる点が素晴らしい考え方だと思います。
子ども同士が関わることは、素晴らしい価値を生み出します。
しかし、「慣れ合い」の活動にしてしまうと、価値が大きく減少します。
こちらの心構えで、しっかりと「協力」できる活動にしたいものです。