あたまの図書館

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子ども達の力【0から始めたサッカー】

私のクラスでは、クラス会議を行っています。

早いもので、先週のクラス会議でもう11回目となりました。

赤坂版「クラス会議」完全マニュアル 人とつながって生きる子どもを育てる

赤坂版「クラス会議」完全マニュアル 人とつながって生きる子どもを育てる

 

 先週の議題は、「サッカーをしたい」でした。

男の子が出した議題です。

 この議題が出された経緯としては、過去に二度出された「クラスの仲を深めるために、お楽しみ会をしたい」という議題で、二回とも敗戦しているからです。

ちなみに、1度目のお楽しみ会は「フルーツバスケット」、二度目のお楽しみ会は「だるまさんが転んだ」になりました。

 

提案しても心配意見にいつも押されて、選ばれることがなかったサッカー。

女の子の方が5人ほど多いクラスなので、状況は不利。

そんな状況でも熱意をもって、「絶対に楽しいからみんなでサッカーをしたい」と言ってくれたサッカー少年の男の子の勇気がすごい。熱意がすごい。

 

サッカーをやったことがない子が「やるのが嫌だ」と言った意見に対し、

「サッカーが嫌だからやるのは嫌だ、というのは何をやってもそうなるよ」

フルーツバスケットでも同じ思いをしている人がいるよ」という意見が出ました。

このような意見から、集団で動く際に自己主張がすべては通らないということを、体験的に学べる場面もうまれました。

 

45分という限られた時間の中で話し合うには、折り合いをつけることが大事。

そのためには、自分の心配な気持ちを表出してクラスみんなに受け止めてもらって、みんなでどうすればよいか考えることが大事。

意見に対し、頭から「嫌だ」と入ってしまっては、それ以上の進展はない。

 

サッカー経験者たちの熱意がクラスの大多数の子どもの心を動かし、

「そこまでやりたいならいいか…」

「二回とも選ばれないのはちょっとかわいそうだし、付き合ってあげてもいいよ(高学年女子ならではの意見)」

などの意見が出され、サッカーをやることに決まりました。

  

しかし、もちろん全員がサッカーをやることに賛成していたわけではありません。

心配意見も多く出ています。サッカー経験者たちは、クラス会議後にミーティングを行っていました。

 

「ルールが分からない」この心配意見に対し、

サッカー少年がルールをしっかりと説明するという解決策。しかも、担任が何も言わずとも、ルール説明をメモに書いて持ってきました。

 点が入った後はゴールキックからか、センターサークルからかなどの話し合い。

 サイドラインを出たら、スローイン?キックイン?

 オフサイドはどうする?などの話し合いが行われました。

 

「経験者ばかりが活躍してつまらなくなりそう」という心配意見に対し、

サッカー経験者を一度抜いた状態で、各生活班で人数調整してチーム決めをする。

そこに、サッカー経験者がバランスよく入る。という解決策。

チームのパワーバランスに対し、そこまで徹底するとは…。

子ども達の中でチーム決めってかなり重要なポジションに位置付けられているんですね。

 

さらには、サッカー経験者は、センターラインとゴールラインの間に引いた線より前ではシュートを打たないというルール作成。

 

この心配意見に対する対策は、全てサッカー経験者たちが休み時間に集まって話し合って決めたものです。それも、短時間の話し合いでポンポン話が進んでいきました!

 

本当に子どもの力はすごい!!!

ほとんどサッカーをやったことがない子ども達に対し、モデリングをしながらルールを説明しているサッカー経験者の姿!その間にラインを引いている私(笑)

 

「ルール説明に時間がかかるからやめよう」という心配意見に対し、休み時間にやるんじゃなくて、「1時間お楽しみ会の時間をとってもらおう」という解決策がクラス会で決まっていたため、今週のクラス会議はカットして、お楽しみ会に変更。

  

本番も子ども達は楽しみながらやっていました!

(もちろん全員ではありませんが、多くの子が笑顔を見せていました)

 

1試合目 生活班Aチーム対生活班Bチーム(クラスの半分)

2試合目 生活班Cチーム対生活D班チーム(クラスの半分)

3試合目 生活班ACチーム対生活班BDチーム(全員)

 

サッカー初心者の女の子がゴールを決めたときは、盛り上がったなあ。

楽しそうにボールに集まっていた。

この授業より後の休み時間、いつもは男の子たちだけのグラウンドに女の子が混じっていました。

 

ああ楽しい。あの子たちをもっと楽しませたい。

こんな毎日を毎年毎年過ごせたらいいなあ。

そのためにも、力量をつけたい。