あたまの図書館

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岩瀬直樹(原案)『きょうしつのつくり方』

 

きょうしつのつくり方

きょうしつのつくり方

 

 

きょうしつの中の物語を見ることができる絵本。

 

絵本部分と解説部分に分かれていて、絵本部分にはあえて「文字」がない。

読者に想像させてくれる。子どもたちの1年間が絵本として21ページにギュッと詰まっている。

 

 

ボクは、子どもたちが帰った後のきょうしつで、この本をじっくりと読んだ。

なんか、心が広くなったような気がする。子どもたちを見る眼差しが温かくなるような気がするというか…。

 

 

つい、「学級の一員」としての子どもに目が行きがちなボクたち。

「学級の一員」として、こうあるべきだとか、なんでこの子はいつもこうなんだろうとか、思ってしまう。

だけどこの本を読むと、どの子にも物語があるんだなとわかる。

その子がどんな子なのか、その子の背景になにがあるのか、その子は今までにどんな気持ちを味わってきたのか、そんなことを考えると「学級の一員として」という言葉で子どもを見ることはできないんじゃないかな。

 

解説の中で、岩瀬先生が「凝集性の違和感」という言葉をつかっている。

本当にそうだと思う。凝集性のなかで、苦しんでいる子だっている。

高学年女子のグループなんかを想像するとわかりやすいかな。

凝集性が生み出す排他性はかなりキツい。

「学級の一員として」の責任を強要するのは、なんか違うよなあ。

 

お互いがお互いを、自然に、温かく、受け入れられるように。

ゆるやかなつながりの中で、その子の気持ちを尊重できるように。

不適切な行動だって、温かく見守られるように。待っているよと、伝えられるように。

 

う~ん。

記事を書いているうちに、温かく、ゆるやかなつながりは、相互尊敬に支えられているなと思ってきた。

 

それぞれの子の物語に目を向けてみる。

この本、子どもに温かく接したいなあと思っている人に、おすすめです。